「減資」という言葉を聞くとどういうイメージを想像するでしょうか?
会計や財務などに詳しくない人からすれば「お金が減った?お金を意図的に減らす?」というような感覚しか持っていないかもしれません。
「減資」というのは株式投資をする投資家にとっても重要なポイントの一つですのでざっくりで良いので理解しておきましょう!
「減資」とはどういう意味?
減資とは、資本金の額を減らす手続きのことです。
資本金の額を減らす手続きと言われても、実際にどういう意味があってどういうときに減資をするのかなど、よくわからないという方も多いと思います。
先日レナウンが倒産したというニュースが流れましたが、会社が倒産したときに「減資」という言葉を良く見かけるかもしれません。
レナウンの倒産による株価や株主がどうなるか気になる方は下記の関連記事をご覧ください。
「減資」が倒産以外に実行されるケース
「減資」が会社の倒産時以外に実行されるケースは大きく分けて3つの場合があります。
それぞれ目的があるため、それを理解しておくと減資をする理由が明確にわかってきます。
①配当するため
会社の資本金は株主(出資者)が出資したお金が元になっていますが、資本金の使い道がない場合は資本金を決算書上、「剰余金」として扱うことで株主に配当を出すことが可能です。
配当を出すための減資を「有償減資」と呼ばれたりしています。
②欠損を補填して資金調達しやすくするため
会社に赤字がある場合には資本金を取り崩して欠損を補填することが可能です。
①の「剰余金」とは逆だと考えればわかりやすいです。
欠損を補填した場合、実際にお金が動くわけではなく、決算書上の数字が変わるだけであるため決算書の財務状況が見た目上良くなります。
そのため、減資した後の方が投資家から資金調達がしやすくなるというカラクリがあります。
実際にお金が動くわけではない減資のため「無償減資」と呼ばれたりしています。
③税金対策のため
日本においては資本金の金額によって法人税などの軽減措置が取られているため、減資を実行することで税金を安くしようとする会社もあります。
2015年にシャープが税金対策で減資をしようとしたとして話題になりました。(実際はシャープは1億円以下に減資せずに5億円にとどめました)
これも②と同様に実際にお金が動くわけでないため「無償減資」と考えられます。
「減資」は会社が勝手に手続きできるものなのか?
「減資」をすると、株価や株主に大きな影響を与えます。
「減資」を行うための手続き
減資が株価や株主にとってメリットばかりであれば問題ないですが、決してそうではありません。
「会社は株主のもの」という意見もありますし、会社の社長や会長であっても勝手に減資を実行することができないようになっています。
ではどうすれば減資ができるのでしょうか?
⇒株主総会での決議が必要です!
元々、会社の資本金は株主が出資したお金が元になっているため、減資をする際には株主総会を開いて承認される必要があります。
また、会社は銀行などからも資金を借り入れているためそのような債権者に対する手続きも必要になってきます。
減資をすることで、株主や債権者が不利益を被る可能性もあるため、会社の人間が勝手に減資をすることはできないのです。