2020年5月15日、東証1部上場会社である「レナウン」が民事再生手続きを申し立てられ、管財人が選任されました。
レナウンはアパレルやアクセサリーを扱う会社で、2004年に設立&上場していました。
元々業績不振に陥っていましたが、新型コロナウィルスの影響も直撃し、今回の民事再生手続きに至りました。
今後は再建を目指しスポンサーを探すとのことです。
レナウンの株価(2020年5月15日)
出典:SBI証券チャート
2020年5月15日の夕方頃にレナウンの民事再生手続きについてのニュースが流れました。
株価は5月15日15時の後場終了時点のものですが、「78円」となっています。(日足6ヶ月のチャート)
倒産により上場会社の株価はどうなる?
レナウンの株を購入している投資家にとって、今回の民事再生手続きのニュースは非常に大きな意味を持ちます。
ここでは、レナウンの今後の株価が具体的にどうなるか?という話ではなく、基本的に「倒産した上場会社の株価はどうなるか?」についてまずはご紹介したいと思います。
上場会社が倒産した場合は株価はどうなる?
倒産と一言でいっても法的な解釈は複数あります。
①会社更生法の適用申請
②民事再生法の適用申請
③破産
この中でさらにグループ分けをするとすれば、①と②が同じグループで③のみ別のグループになります。
100%減資なのか?100%減資以外なのか?
会社が「①会社更生法の適用申請」と「②民事再生法の適用申請」をする場合、既存の株主が持っている株をどうするかで株主に与える影響が大きく変わってきます。
【株を100%減資した場合】
通常、会社が倒産して「①会社更生法の適用申請」か「②民事再生法の適用申請」をする場合、株を100%減資するのが通常です。
その結果、株の価値が0になります。
株の価値が0になるため、既存の株主は早い段階で株を売却できていない限りは大きな損失を出すことになります!
【株を100%減資しない場合】
ここではわかりやすく、株を99%減資した場合と想定して考えます。
99%減資であるため株の価値が0になることはなく価値が残ることになります。
株の価値が0にならず上場廃止にならない可能性があるため、スポンサー(出資者)による出資の結果、上手く会社が再建できれば株価が再び上昇し既存の株主は損失を出さずに済む可能性も考えられます。
※そもそも、100%減資でなく99%減資のような場合は、スポンサー(出資者)による会社再建の期待感から株価が1円などではなく10円~30円のような価格でとどまることもあり得ます。
まとめ
上場会社の倒産といっても色々な種類があることを理解できたと思います。
法律のことや減資のことは専門的な内容ですので、詳しく知りたい方のみ深く勉強してみてください。
また、減資については倒産していない会社でも起きるケースがありますが、その際株価が大きく動くことが良くあります。
減資については勘違いしている投資家も多いため、「倒産していない会社での減資」については下記関連記事をご覧ください。
会社が倒産以外で減資をする理由。減資は会社が勝手に手続きできる?
今後は、倒産についての理解を深めレナウンの株価や動向を注目していきましょう!