『金持ち父さんの投資ガイド 入門編』(改訂版 金持ち父さんの投資ガイド 入門編)の中では、「洗練された投資家」になるための5つのステージのうち、1つ目のステージについて重点的に解説されています。
その1つ目のステージの中に「投資力をつける16のレッスン」という項目がありますが、今回の記事では16のレッスンのうち「③なぜ投資はわかりにくいのか?」という項目についてご紹介します。
※5つのステージと入門編の全体の内容について知りたい方はまず下記の関連記事を読んでください。
投資力をつける16のレッスン「③なぜ投資はわかりにくいのか?」
一口に「投資」といっても人によって異なるものを意味します。
実際に投資がわかりにくいと思っている人が多いですが、その理由は、みんな違うことについて話しているのに同じことを話していると思い込んでいる場合が多いからです。
そして、たいていの人が「投資」と呼んでいるものは本当の投資ではありません。
投資は人によって意味するものが違う
①人が違えば投資対象も違う
人が違えば投資対象が違う具体的な例を3つ下記に示します。
a.世の中には、大きな家族を持つことに投資する人もいる。子供や親戚を含めた広い意味での家族が大きいと、ある意味で、年をとった両親の世話をする保証となる。
b.いい教育、仕事による安定、会社の福利厚生に投資する人もいる。この場合は、本人と、その人が持っている技術が資産になる。
c.外部の資産に投資する人もいる。アメリカでは人口の45%が、さまざまな会社の株式を保有している。仕事による安定や終身雇用があてにならなくなってきたことに人々が気づくにつれて、この数字は増加している。
②投資商品にはたくさんの種類がある
投資の種類は、株式、債券、投資信託、不動産、保険、商品、貯蓄、コレクション向きの品、貴金属、ヘッジファンドなど数多く存在します。
そしてそれぞれの投資はさらに細かく分類することができます。
下記では株式と不動産、投資信託にはどんな細かい種類があるのか具体例をあげます。
2.優先株式
3.ワラント付株式
4.小型株
5.優良株式
6.転換株式
7.IT株
8.工業株
9.その他
2.オフィスビル
3.店舗
4.集合住宅
5.倉庫
6.工場
7.更地
8.建築制限付更地
9.その他
2.積極成長型ファンド
3.業種別(セクター)・ファンド
4.配当追求型ファンド
5.クローズド・エンド型ファンド
6.バランス型ファンド
7.地方債ファンド
8.カントリー(国別)ファンド
9.その他
③投資手法にもいろいろある
投資商品を買ったり売ったり取引することがありますが、そのときに投資家に活用される手法には様々なものが存在します。
下記では7つの具体的な投資手法の例を示します。
2.買って売る(取引・トレード)
3.売って買う(空売り・ショート)
4.オプション売買(取引・トレード)
5.ドルコスト平均法(買い・ロング)
6.仲介(自己勘定では売買せず)
7.貯める(コレクション)
④投資手法と投資商品の組み合わせによって投資家は分類される
投資家は自身がどのような手法や商品、考え方を持っているかによって分類されます。
投資家の発する言葉によってその投資家がどのような投資家が判別できます。
2.私は不動産に投機している
3.私は珍しいコインをコレクションしている
4.私は商品先物のオプションを取引している
5.私はデイトレーダーだ
6.私は銀行を信用している
b.投機家
c.トレーダー
d.貯蓄家
e.夢想家
f.負け犬
すべてに精通している人はいない
上記で紹介してきたように多くの種類の「投資」が存在しますが、投資すべてに精通する専門家になるのは不可能です。
さらに、投資手法の好き嫌いまでを考慮すると本当に多くの投資の在り方が存在します。
投資家には分散投資を推奨する人が多いですが、ウォーレンバフェットのように分散せずに一極集中型の投資を推奨する人もいます。
投資のプロや専門家というレベルの人の中においても好き嫌いや信じている手法が異なることはよくあることなので、それらすべてを理解することは困難ということです。
同じ市場でも人によって予想が違う
さらに、株式市場の一つの銘柄を例にとっても多くの専門家の意見は異なっていることが多いです。
アナリストの意見を聞いて投資判断をしている人も多いかもしれませんが、多くの意見を聞いていると混乱する場合も多くあります。
パーティに遅刻する人
株やFXなどのトレードをやっている人はよくこのようなことを言います。
「株が値上がりしそうだと聞いたので買うと、買った直後にいつも株価が下がり始める」
「人気のある有望株だったのに私が買った後になぜか株価が下がり始める」
「株価が下がりそうだと思って売ったらその直後に株価が上がり始める」
すでに株やFXの経験がある方なら一度はこのようなことを感じたことはないでしょうか?
「売り急ぎ」現象
人気がある、または過去に実績があるなどという理由で投資をすることには大きな問題があります。
真の投資家がすでに十分に儲けて手を引いた後に参入していることになるのです。
投資がわかりにくい理由
著者であるロバートキヨサキさんは、「株で手っ取り早く儲ける話」や「1ドルで買った株が値上がりして短期間で35ドルになった」などのような話題には一切耳を貸さないようにしています。
そういう話は本当の投資の話ではないからです。
このレッスンでは多くの投資対象や投資商品の種類、投資手法などを見てきましたが、人によって組み合わせが無限にあり複雑に見えてしまうことが理解できたと思います。
そして、多くの人にとって投資がこんなにわかりにくいのは、彼らが投資と呼んでいるものが本当の投資ではないからなのです。
投資力をつける16のレッスン「③なぜ投資はわかりにくいのか?」に関しての解説はこれで終了です。
続きのレッスンが気になる方は、『金持ち父さんの投資ガイド入門編』投資力をつける16のレッスン「④投資はプランだ」をご覧ください。